四季の稲
ABOUT

「叡麓苑」(えいろくえん)は京都洛北、比叡山山麓の八瀬で友禅染の創作活動をしている、日本工芸会正会員中川正洋の工房です。
中川正洋は,糯糊(もちのり)、糸目糊(いとめのり)、蒔糊(まきのり)、白付糊(しろづけのり)、一珍糊(いっちんのり)、写し糊など、日本古来の伝統的な防染糊に独自の工夫を加え作品を制作しています。
糯糊(もちのり)とは、室町・桃山時代にはすでに存在していたと思われる日本古来のでんぷん糊で、糯粉(もちこ) に糠(ぬか)と塩を加え、蒸して良く練り、再度炊き上げて作ります。大変防染力が強く、最後に水で洗い流すことにより素材や環境に負荷をかけないのが特徴で、この糊を基にして糸目糊、蒔糊、白付糊、一珍糊、写し糊などを作ります。写生を基に図案作成から染にいたるまで作者一人で、これらの防染糊を駆使して制作するには大変な手間と根気を必要としますが、天然繊維が持つ本来の輝きを最大限に引き出し、独創的で格調の高い美しさが表現されます。主に日本工芸会に着物を出品していますが、帯、軸、額、スカーフ等も制作し、ショップで販売しています。

中川正洋HP  https://www.eonet.ne.jp/~eirokuenn/
日本工芸会   https://www.nihonkogeikai.or.jp/works/631/
ギャラリージャパン 
https://www.galleryjapan.com/locale/ja_JP/artist/55/
ブログ     http://eirokuenn.blog.fc2.com/

友禅染とは」
 友禅染とは、江戸時代に始まった糯糊(もちのり)防染による模様染め技法の総称です。なかでも極細の糸目糊によって輪郭を描き、その中に彩色をする「手描き友禅」が最もよく知られています。同じ友禅染でも、糯糊で伏せた生地白の部分によって文様を描き出す「堰出友禅(せきだしゆうぜん)」や、糯糊を乾燥させて細かく砕き、生地に定着させて染める「蒔糊友禅(まきのりゆうぜん)」という独特の技法があります。私は、これらの技法に加え、「一珍糊(いっちんのり)」「写し糊」「糊たたき」「糊うたし」など、糯糊を用いた様々な技法を駆使して作品を制作しています。

糯糊堰出友禅」
 糯糊の糸目糊で輪郭を描き、文様以外の部分を全て糯糊で伏せて染め、染料を定着させてから糯糊を洗い流します。文様の輪郭が全て消えてなくなり、糯糊によって防染された部分が生地白になり、文様が生地白の中に浮かび上がります。「生地白で描く友禅」とも言われるように、白く残した部分の鮮烈な存在感が、文様や色彩をいっそう引き立てます。

蒔糊友禅

 蒔糊技法の歴史はかなり古く、江戸時代後期にはすでに着物の模様として使われていました。当時は降る雪を表現したり、地色のぼかしなど部分的表現として使われていました。蒔糊に用いる糊を作るには、まず糯粉(もちこ)に糠(ぬか)と塩を加え、蒸して良く練りこれに亜鉛の粉末を混ぜてよく練り、更に炊き上げます。この糊を竹の皮の外面に均等に薄く延ばし、天日の下で三日程完全に乾燥させます。簡単に竹の皮より剥がれ落ちた糊片を細かく砕き、幾種類ものふるいを使って様々な大きさに分けます。これらを缶等に保存すれば何年経っても使用できます。生地に水を引いた後、目的に応じた糊粒を指先でつまみ取り、軽くもみながら生地の上に落とします。この時、着物全体構想を頭に描き、糊の蒔き方に充分注意しながら作業を進めていき、生地が乾いたら生地裏からふのり液を引き充分乾燥させます。さらに染め上がりをよくするために豆汁(大豆をすり鉢ですった液)を引き乾燥させ、染料で引染めをします。蒸しをして染料を定着させ、水洗いをして糊と余分な染料を洗い流します。蒔糊技法には多くの表現方法があり、様々な糯糊技法との組み合わせによりたいへん複雑で多彩な表現が可能になります。

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